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【吉野水分神社】世界遺産・吉野山に佇む、子授けと安産の神さま(奈良県吉野山)

吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)は、奈良・吉野山の高台にたたずむ、静かで落ち着いた雰囲気の神社です。

豊臣秀吉が子宝を願って参拝し、その後に秀頼が誕生したという伝承が今も語り継がれています。このご縁から、「子授け」「安産」「子どもの成長」を願う人々が多く訪れます。

社殿は豊臣秀頼が慶長9年(1604年)に再建したもので、朱塗りの楼門から拝殿、本殿へと続く社殿群には、当時の面影が今も息づいています。

境内は回廊がコの字に巡り、その奥に三殿一棟の本殿が連なる独特の構え。檜皮葺の屋根や彩り豊かな建築意匠が、桃山時代の華やかさを伝えています。

四百年の時を経た今も、静かにその美しさを保ち続けています。

yuriharu
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参拝のきっかけは、神仏研究家・桜井識子さんのブログ。そこには「超おすすめです」「吉野山の神さまの優しい波動が満ちています」と書かれていて、実際に訪れてみると、その言葉の通り、心が穏やかになる素敵な時間を過ごすことができました。

 

【吉野水分神社】基本情報

所在地 奈良県吉野郡吉野町吉野山1612
問合せ 0746-32-3012(宮司宅)
参拝時間 8時~16時(4月のみ17時)
拝観料 無料
駐車場 無料駐車場有り(2台)

※撮影時の情報です。

駐車場について

神社の横に小さな駐車スペースがあり、そちらに車を停めさせていただきました。
広い駐車場ではなく、道も細く一方通行の箇所もあるため、主人には車で待ってもらい私ひとりで参拝に向かいました。

スマホのナビを頼りに向かいましたが、山道は細く分かれ道も多く、途中で何度か道を間違えてしまいました。お車の方はお気を付け下さい!

【吉野水分神社】歴史

秀頼さんが寄進した400年前の神輿

吉野水分神社の創建は古く、奈良時代以前と伝わります。『続日本紀』(698年)には、天武天皇の時代に雨乞いを行った記録が残るほど。

もとは吉野山の水源・青根ヶ峰に祀られていましたが、平安初期に現在地へ遷座しました。豊臣秀吉が子宝を祈願し、願いが叶った後、子の秀頼が社殿を再建。その美しい桃山様式の社殿群は今も残り、国の重要文化財として大切に守られています。

 

【吉野水分神社】ご祭神・ご利益


口コミなどで頻繁に登場する木彫りのフクロウ

ご祭神は、水の神である 天之水分大神。「水を分け与える」神として、昔から雨乞い・五穀豊穣・水難除けのご利益が信仰されています。

また、共に祀られている玉依姫命は、子どもの守り神として知られ、子授け・安産・子育て成就 のご利益が特に有名です。

その名の「みくまり(=水分)」が「みこもり(御子守)」へと変化し、「子守明神」として親しまれるようになったのもこの神社ならでは。今も多くの参拝者が、家族の健康や子どもの成長を願って訪れます。

yuriharu
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識子さんの著書には、境内が高波動に包まれています。社殿や他の建物などは古びていますが、清々しい感が半端ないです。非常に爽やかです。吉野山の神様に願掛けをしたい方はここですると良いです。と、書かれています。

 

【吉野水分神社】境内巡り

鳥居

山あいの細い道を抜けると、朱塗りの鳥居が静かに立っています。

古くから「水を司る神」の結界としてこの場所を守り、参拝者を静かに迎えてきました。鳥居の先には石段が続き、その先に楼門と社殿群が配置される伝統的な構えを残しています。

 

楼門(神門)

豊臣秀頼の再建当時の形式を伝え、左右の回廊とつながる構造が特徴です。重厚でありながら、周囲の森と調和した落ち着いた美しさを見せています。

 

本殿


左側の社が本殿

本殿(画像の左側)は、豊臣秀頼が慶長9年(1604年)に再建した三殿一棟造りの建物です。

中央に春日造の正殿、左右に流造の脇殿を連ねた珍しい形式で、国の重要文化財に指定されています。

 

拝殿


拝殿(左手)、本殿(右手)

慶長9年(1604年)、豊臣秀頼が奉納した八角八棟造りの神輿が境内に展示されています。

長い年月を経た木肌には時代の重みが感じられ、細部まで丁寧に作られた美しい工芸品です。今にも息づかいが伝わってきそうなその姿から、当時の信仰の深さが静かに伝わってきます。

 

【吉野水分神社】参拝を終えて

拝殿で手を合わせたあと、ふと境内を振り返ると、木々の間から差し込む光が社殿を柔らかく照らしていました。

長い歴史の中で、この場所にどれほど多くの祈りが重ねられてきたのだろう――そんな思いが自然とわいてきます。

華やかさよりも、静けさと温もりが心に残る神社。吉野山の自然とともに、これからも大切に守られていく場所だと感じました。

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