
紅葉時期の一畑寺
島根県出雲市の山の上にある一畑寺(一畑薬師)は、「目のお薬師さま」として全国から信仰を集めるお寺です。
ご本尊は、薬師如来。
病気やけがの治癒、特に「眼病平癒」のご利益があると伝えられています。また、子どもの健康祈願や家族の無事成長を願う参拝者も多く、古くから「子どもの仏さま」としても親しまれています✨

境内には、なんと「目玉おやじの像」があちこちに!
妖怪漫画家として知られる水木しげるさんは、幼い頃に家で働いていたお手伝いさんから、神仏や妖怪の話をたくさん聞いて育ちました。そのお手伝いさんは、一畑薬師を深く信仰する人で、少年だった水木さんをお参りに連れて行っていたそうです。このご縁から、境内には「目玉おやじの像」が設置され、今も多くの参拝者が足を止めて微笑んでいます👀


【一畑薬師】基本情報
| 公式HP | こちら▶ |
| 所在地 | 島根県出雲市小境町803 |
| 問合せ | 0853-67-0111 |
| 参拝時間 | 自由参拝 朝おつとめ7時半~/晩おつとめ16時半~(どなたでも参加出来ます) |
| 拝観料 | 無料 |
| 駐車場 | 無料駐車場有り |
| 寺務所 | 8時半~17時 御朱印、御朱印帳・お数珠・御守り・絵馬・ほうじ茶など |
※撮影時の情報です。変更になる事もあります。
| 山号 | 医王山 |
| 宗派 | 臨済宗妙心寺派(禅宗) |
| ご本尊 | 薬師瑠璃光如来 |
駐車場について

駐車場から本堂までは約700メートルほどで、歩いて10分ほどの道のりです。参道の途中にはおみやげ屋さんや目玉おやじの像が並び、楽しく景色を眺めながら本堂へ向かうことができます。
【一畑薬師】の歴史

創建は平安時代、寛平6年(894年)。
漁師の与市が海から薬師如来像を引き上げ、そのおかげで母の目が治ったという伝説が残っています。その後、与市は出家して「補然和尚」となり、山上にお堂を建立。これが現在の一畑寺のはじまりです。
以来「目のお薬師さま」として親しまれ、戦国の頃には子どもの目の病が治った話から、成長祈願の信仰も広がりました。
【一畑薬師】ご利益

境内から見える景色
一畑薬師は「目のお薬師さま」「子どもの無事成長の仏さま」として知られ、「諸病平癒」「家内安全」「身体健全」「心願成就」「交通安全」など、さまざまなご利益を授かることができます。
本堂には、ご本尊の薬師如来を中心に、左右に日光菩薩と月光菩薩、そして十二の方角を守護する十二神将が並び、静かに祈りの場を見守っています。
【一畑薬師】境内巡り
百八基灯篭

駐車場から本堂までは10分ほど歩きます。参道の途中には、門前商店や百八基の石灯籠、そしてかわいらしい目玉おやじの像など、見どころが点在。歩きながらゆっくりと風景を楽しめる、心地よい参道です。
仁王門

参道の途中に立つ仁王門は、一畑薬師の表玄関ともいえる堂々とした門です。左右には「阿形」と「吽形」の金剛力士像が立ち、参拝者を力強く迎えてくれます。
石段と仁王門、そして周囲の景色が調和し、思わず足を止めたくなるほど美しい場所です。
薬師本堂

ご本尊の薬師如来(秘仏)の左右には、日光菩薩と月光菩薩、そして十二の方角を守る十二神将が祀られています。
明治時代に再建された本堂は、薬師如来を安置する薬師堂と、一般参拝者が参拝できる礼拝堂に分かれ、参拝者が静かに手を合わせられる、穏やかで清らかな空間です。

お茶湯

境内の茶畑で育てた茶葉と山の清水で煎じた特別なお茶を、毎朝ご本尊・薬師如来にお供えしています。
そのお下がりを「お茶湯(おちゃとう)」として参拝者に授与しています。希望者は徳利(冥加料500円)に入れて持ち帰ることもできます。

古くから「目の病気や視力の守護」として信仰があり、このお茶湯を少しだけまぶたにつけて祈願するという風習が伝わっています。
(※目薬ではなく、あくまで祈りを込めた信仰のかたちです)
開基堂

「開基堂」は、寺の礎を築いた補然和尚をお祀りするお堂です。
みちびききつね(結縁稲荷)

本堂の近くには、「結縁稲荷」と呼ばれる小さなお稲荷さんがあります。
昔、お薬師さまをこの地へ導いた白い狐が童子の姿に変わって案内したという伝説があり、そのご縁を大切に祀られています。

赤い鳥居をくぐった先に社殿があり、願いごとを書いた小さな「みちびききつね」を奉納すると、良縁成就・ご縁結び・願いごと成就のご利益があるといわれています。静かな場所にあり、そっと手を合わせると心が落ち着く、癒しのお稲荷さんです。
秋の一畑薬師~紅葉~

秋の一畑薬師は、山全体があざやかな紅葉に包まれます。
石段を登る途中も、木々の間から差す光に赤や黄が映えてとても美しい景色。本堂のまわりでは、静けさの中に落ち葉が舞い、心まで澄んでいくようです。

静かな参道を彩る紅葉は、まさに一畑薬師ならではの秋の風景です🍁

【一畑薬師】参拝を終えて

2023年・2024年と、出雲大社の神在祭に参拝したあと、帰り道には必ず「一畑薬師」に立ち寄るのが、すっかり私の恒例になりました。
主人の視力が年々落ちてきて、仕事中にパソコンの文字が見づらいと悩んでいる姿を見て、少しでも良くなればと願いを込めてお参りしています。
不思議なことに——参拝を続けているうちに、なぜか私の視力の方が良くなってきたんです(^^♪
以前は眼鏡がないとメニューも読めなかったのに、最近は裸眼でもはっきり✨主人よりも先にご利益をいただいたようで、ちょっと申し訳ない気持ち(笑)
そして何より、秋の一畑薬師の紅葉は本当に見事!山全体が赤や黄色に染まり、石段や参道もまるで絵のような美しさです🍁
参道には鬼太郎の「目玉おやじ」像もあり、その可愛らしさについ笑顔に。お参りのあとに境内のお茶席でいただく温かいお茶も格別で、心までほっと和みます。
出雲の旅の締めくくりに、一畑薬師で手を合わせると、心も目もすっきり。また来年も、この美しい紅葉とやさしい空気に包まれに来たいと思います✨