
立木観音(安養寺)
滋賀県大津市の南郷町にある【立木観音(立木山 安養寺)】は、弘法大師(空海さん)が開いたと伝わる古刹です。
瀬田川のほとり、深い山の中腹に立つお寺で、「厄除け観音」として全国から多くの参拝者が訪れます。
800段もの石段を登った先に出会える静かな境内は、まさに修行の道そのもの。古くから「立木さん」の名で親しまれ、今も人々の厄を払い、心を清めてくれる場所です。

【立木観音 安養寺】詳細情報
| 公式HP | こちら▶ |
| 所在地 | 滋賀県大津市石山南郷町奥山1231 |
| 問合せ | 077-537-0008 |
| 参拝時間 | 9時~16時 |
| 拝観料 | 無料 |
| 駐車場 | 無料駐車場有り |
| 寺務所 | 9時~16時 |
※撮影時の情報です。
| 山号 | 立木山 |
| 宗派 | 浄土宗 |
| ご本尊 | 聖観世音菩薩(通称:立木観音) |
| ご利益 | 厄除け、心願成就、病気平癒、無病息災、家内安全等 ※「厄除け観音」として全国的に信仰されています。 |
駐車場について
駐車場は、境内入り口の石段付近の、道路沿いに駐車スペースが設けられています。通行車両もいるので、混雑時や渋滞時にはくれぐれもご注意下さい。。。



こちらの石段が安養寺への入り口になります。
【立木観音 安養寺】ご利益

立木観音は、厄除けの観音さまとして古くから信仰されています。
弘法大師(空海さん)が42歳の男の大厄の年に観音像を刻んだことから、特に厄除けのご利益が高いと伝わっています。また、心願成就・病気平癒・家内安全・無病息災など、あらゆる願いを受け止めてくださる観音さまとしても知られています。

境内には「厄除の鐘」があり、参拝者が一撞きして厄を祓う風習が今も続いています✨
【立木観音 安養寺】の歴史

このお寺さんの始まりは、弘仁6年(815年)。
諸国を巡っていた弘法大師(空海さん)が瀬田川の対岸に光る霊木を見つけた時、急流で渡ることができず困っていたところ、白い鹿が現れて大師を背に乗せ、川を跳び越えたといいます。
その鹿は観音菩薩の化身だったとされ、大師は感激して、その立木に自ら等身大の観音像を刻み、堂を建てました。これが立木観音の始まりです。
以来1200年以上、厄除けの観音さまとして厚く信仰されてきました。また、立木観音は「新西国三十三箇所霊場 第二十番札所」としても知られています。
【立木観音 安養寺】境内めぐり👏
【立木観音 安養寺】約800段の石段

ここが石段の上り口です。
参道は左側通行となっていますので、登る際はご注意ください
石段は約800段ほどです。

素敵だな~と思ったのが、石段ですれ違う時に「こんにちは~」って声をかけてくれること。最初は少し恥ずかしかったけれど、登っている途中で交わすその挨拶が、すごく励みになりました。
参拝者どうしが自然に声をかけ合うって、なんだか温かくて良いな~と感じました(^^♪

とは言え、登っても登っても続く石段は、ホントにキツかった!途中で立ち止まって深呼吸しながら、「あともう少し…!」と自分に言い聞かせて登りました(^^♪
ちなみに、この石段は今から約150年ほど昔に京都の町衆が整備されたものだそうです。

石段を登り切った先には、広々とした境内が広がっています。
【立木観音 安養寺】本堂

本堂です。
本堂の厨子には、弘法大師(空海さん)が立木に刻まれた聖観世音菩薩が安置され、その余木で彫られたと伝わる毘沙門天・廣目天・弘法大師尊像もお祀りされています。
聖観世音菩薩(立木観音)は、立木のまま彫られた珍しい像で、現在も秘仏として大切に守られています。
本堂の裏手にまわった所からも観音さまにお参り出来るようになっているので、参拝の際には裏手にお回り下さい。

こちらは、横から見た本堂の様子です。
【立木観音 安養寺】寺務所・授与所

本堂の右手には寺務所があります。
御祈願・回向・御守・御供え・御朱印等の受付所。日常で使える「厄を除ける杓子」や、「厄除け箸」などはお土産にもおススメ(^^♪
【立木観音 安養寺】厄除けの鐘👏パワスポ

「厄除けの鐘」です。
お寺の鐘は、仏教で「梵鐘(ぼんしょう)」と呼ばれます。これは、清らかさと神聖さを象徴するものです。
立木観音の「厄除の鐘」も同じく、煩悩や厄を祓うための清浄の鐘として大切にされています。

鐘は、心を静めて一度だけ、ゆるやかに撞くのが作法です。

鐘楼へは、本堂の奥へ進み、石段を上って行くと「厄除の鐘」が見えてきます。

【立木観音 安養寺】奥之院

奥之院です。
立木山をお護りする守護神として 道了権現大菩薩 が祀られています。
この道了権現社は、昔から立木観音の「守護の神」として信仰され、本堂とあわせてお参りすることで、さらに強い厄除け・開運のご加護をいただけると伝えられています。
お茶所👏パワスポ

参拝者のための休憩所があり、お茶をいただけます。
約800段の石段を登った後に、一息つけるありがたい場所です。

お茶所の棚には4体の布袋さんが安置されています。
弘法大師像

立木観音開山の縁起に登場する、白鹿に姿を変えた観音さまに導かれる弘法大師の像です。弘法大師(空海さん)が霊木を見つけ、観音像を刻むきっかけとなった場面を表しています。
おみくじ

おみくじです。

おみくじを引いてみたい気持ちがありましたが、「きざみ」を数えるのが大変そうだったので、辞めておきました(^^♪
聖徳太子像

日本に仏教を広めた聖徳太子の像です。
太子が二歳のとき、「南無仏」と唱えて仏に帰依された伝説にちなみ、聖徳太子二才像としてお祀りされています。
参拝を終えて
立木観音(安養寺)は、弘法大師が刻んだと伝わる「立木の観音さま」を本尊とする、滋賀を代表する厄除け霊場です。
800段の石段を登る道のりは少し大変ですが、その分、心が清められるような不思議な静けさに包まれます。
厄年を迎える方はもちろん、心を整えたい時や新しい節目を迎える時におすすめの寺院です。空海ゆかりの地として、そして自然と信仰が調和する聖地として、立木観音は今も多くの人々の祈りを受け止めています。
私が「どうしても安養寺さんにお参りしたい!」と思ったきっかけは、
神仏研究家・桜井識子さんの著書に書かれていた一文でした。
「この山でも、空海さんは呼ぶと来てくれます。」
この言葉を読んだ瞬間、胸の奥がじんと熱くなったのを覚えています。高野山や四国のお遍路など、空海さんゆかりの地は全国にありますが、どこも遠くて、なかなか気軽には行けません。
でも、滋賀県なら日帰りでも行ける!そう思った私は、「いつかではなく、今行こう」と決めて安養寺へ向かいました。